桃源郷の歩き方 東莞常平編第14話 ～7人の美女～
世界の桃源郷 東莞常平
信彦、貴博とジョージの3人がカラオケ部屋に戻ると、7人の美女が楽しそうにお喋りをして待っていた。
ジョージの選んだ3人の美女は、いずれも少しキツめの美人タイプで、スタイルはもちろん抜群である。スラっとスリムで、うち2人は胸も大きい。そのうちの1人は、先程4階で見かけた顔である。
一方の貴州省4姉妹は、いずれも可愛いタイプである。どの子とどの子が信彦で、どの子とどの子が貴博か未決だが、取り急ぎ挨拶だけをかわして、食事に行くことになった。今回は美女を含めると合計10人の大所帯になるため、男のみで食事をすることになった。今日から合流したジョージが、信彦と貴博と話したいことが沢山ある模様でもあり、男3人での食事になったという側面もある。
ホテルの1階に日本料理屋があったが、そこはパスして、ジョージお薦めの近所の東北料理店にタクシーで向かった。東北料理は、やや塩味が濃い傾向はあるが、素朴な味で美味である。値段もお手頃であり、信彦と貴博の好きなジャンルの料理でもある。
店に入り注文を終えると、信彦は「ここがチャンス」とばかりに、小玲との約束を2人に正直に打ち明けた。「小玲に連絡しないといけないのだ」と。貴博はともかく、ジョージにはせせら笑われると想像していたのだが、意外な反応が返ってきた。
ジョージ「良いね。それも桃源郷の正しい過ごし方の1つだと思うよ。結構、上級レベルだけどね」
信彦「それ位、昨日の小玲は良かったんだよ。既に完全にハマってしまっているよ」
ジョージ「それは良かった。いきなり初日でそんな良い子に巡り合えてラッキーだね」
貴博「凄い良い子だよ」
ちなみに信彦は、あまり顔や態度には出さないが、人の好き嫌いが非常にはっきりしている。独自の評価基準により、気持ちの良い人が好きで、気持ちの悪い人が嫌いである。貴博とともに、ジョージも、もちろん大変気持ちの良い人である。忖度の無いストレートな表現が多いが、その中に思いやりが感じられる人間である。ついでに言うと、好きな言葉は「人生は何事も経験」「適正価格を見極めよ」「据え膳食わぬは男の恥」の3つである。
ジョージ「でもさ、じゃあ何故今日2人も選んだの（笑）？」
信彦「そうなんだよね。でもまあ、いざとなれば、貴博が4人全員引き連れて帰ってくれるかな、と思って。だって、あの4人は全員友達同士でしょ（笑）？」
貴博「何言ってんの？馬鹿じゃないの？（笑笑）」
信彦「いやいや、大真面目な話だよ。まあ、バックアップ・プランとして考えておいてよ。2人分のお金は俺が払うからさ」
貴博「マジか」（満面の笑みで）
貴博は、発言とは裏腹にマンザラでもなさそうだ。
信彦の思考回路では「これで既に貴博の了解を得た」ので、信彦は小玲の微信（WeChat）に「今何してるの？」と連絡を入れてみた。
30秒も経たないうちに、小玲から返信が来た。
小玲チャット「さっき起きたばかり。今ごはんを食べてるよ」
信彦チャット「何を食べてるの？美味しい？」
小玲チャット「麻婆豆腐よ。とても辛くて美味しいわ」
寝起きに麻婆豆腐とは、流石、小玲は四川美人である。これが超色白美肌の秘訣なのだろうか。
小玲チャット「あなたは何をしているの？」
信彦チャット「同じくご飯だよ。こちらは晩御飯だけどね」
小玲チャット「讨厌（タオイエン。もう嫌い！的な意味。それ程シリアスな嫌いでは無い意味合いが多い）」
もし小玲がその場にいたならば「天使の突き」が入っていたタイミングである。「天使の突き・リモートバージョン」と言えるかもしれない。
小玲チャット「友達と？」
信彦チャット「そうだよ。香港人も合流して、3人で。東北料理、美味しいよ」
信彦は絶品の水餃子と焼き魚の写真を撮って微信で小玲に送った。
小玲チャット「中国式カラオケ（KTV）に行くと言っていなかったかしら？」
信彦チャット「そうだよ。欧亜大酒店のね」
小玲チャット「もう、女の子は選んだの？」
信彦チャット「うん、選んだよ。2人」
小玲チャット「本当に？じゃあ、私はどうなるの？」
微信の文面だけのため、真剣に言っているのか、冗談的な軽い気持ちで言っているのか、ニュアンスがイマイチ不明である。
信彦チャット「なんか、成り行きで2人選んじゃったんだよ。流れというヤツかな」
小玲チャット「可愛い？」
信彦チャット「結構可愛いよ。貴州省出身みたい」
小玲チャット「ふうん（ここも多分「天使の突き」のタイミングである）」
信彦チャット「もちろん、約束は覚えているよ。必ず後で連絡するから。女の子は連れて帰らないから。待っててね！飲み過ぎて、意識が飛ばないようにするから」
小玲チャット「わかった。待ってる。飲みすぎないでね」
文面だけのため双方のニュアンスが十分に伝わり切らない中、冗談を混ぜ込み過ぎるのはトラブルのもとになるため、「ほどほど」にしておかねばならない。
貴博「小玲は何て言ってるの？」
信彦「待ってるらしいから、後で連絡するって伝えた」
貴博「それ、僕が4人連れて帰るの確定じゃん。まあ良いけど（満面の笑み）」
ジョージ「頑張ってね！4人はなかなか大変だよ！」
貴博「ジョージは、4人連れて帰ったことあるの？」
ジョージ「1回だけあるよ。でも、1つのベッドで5人は寝れないから、2人は一回戦が終わったら帰ってもらったけどね」
信彦「それ、面白いね」
ジョージ「シャワー浴びるのも大変だよ。全員シャワーをすると1時間以上かかるし。とにかく部屋が大変せまく感じるからね」
貴博「中国語の出来ない僕が、4人の美女をそんな感じで仕切るのは大変だよな～（苦笑）」
ジョージ「大丈夫、何とかなるよ（笑）」
信彦「彼女達には、その辺りの事情は最後まで伝えないようにしようよ。場合によっては、性悪の美女がいたら連れて帰らなくても構わないわけだし。どちらにしても、2人分は俺が払うからさ。あとは、宜しく頼むよ（笑）」
貴博「まあ、信彦さんの恋路のためなら、仕方ないなぁ。貸しだよ（満面の笑み）」
貴博は、既に結構その気になっている。「貸し」と言うが、どちらの貸しなのかは微妙である。
お酒は飲まずに大変美味しい東北料理を食べ終えて、3人は19：45頃にカラオケ部屋に戻った。
部屋には甜甜マネージャーとDJも含めた9人の女性がおり、彼女たちの素敵な香水が入り乱れ、大変色っぽい香りが室内に醸成されていた。「生きていて良かった」と思える、幸せな香りである。
（写真はイメージです）
貴州の4人は友達同士なので親しいのは当然だが、甜甜マネージャーをリーダー格として、ジョージの選んだ3人とDJも含めた全員が打ち解け、大変楽しそうな女子会の雰囲気になっていた。
ジョージは迷いなく、右手に1人、左手に2人の美女が来るように、権力者のような我が物顔でソファに座った。
一方で信彦と貴博は、4人の美女の配給について議論さえしていなかったため、それぞれどう座るのか少し戸惑った。しかしここは、貴博が迅速な決断力を見せて2人を即時選択したため、2人はそれぞれ両手に花状態でソファに座った。
貴州の4人は、全員少しあどけない表情が残る、大変可愛い顔をしている。4人のうち、信彦側の1人を除く3人は何となく顔立ちも似ているので「本物の親戚同士なのか？」と質問してみたが、全く血縁関係は無いとのことであった。そして全員スリムで、胸は「机场（飛行場。水平という意味）」タイプである。
そして4人とも大変ノリが良く、全員とにかくよく笑う。屈託の無い笑顔で、また、オモテナシの心なのだろうか、信彦と貴博の一挙手一投足に反応し、盛り上げてくれる。信彦が「我々は日本から来た」というと、大変楽しそうに北海道とか桜とか名探偵コナンとかワンピースとかアダルトビデオとか、日本について知っていることを話し始める。4人とも英語も日本語も全く通じないが、貴博のスマホの自動翻訳機を使っての自己紹介などにも大変明るく反応して、大変良い雰囲気である。
大学生のような和気あいあいのノリで盛り上がる信彦＆貴博＆貴州4人組の隣で、ジョージと3人の美女は、大人の雰囲気を醸し出していた。ジョージは既に両隣の美女2人のお尻と胸を触り放題状態である。美女達も特に嫌がっている様子は感じられない。
それを見た信彦と貴博も、それぞれの両隣の美女とスキンシップを図ることにした。楽しそうに喋りながら、どさくさに紛れてお尻を触ってみたが、笑顔で軽く叩かれる程度で、嫌がる雰囲気は全く無い。それどころか、美女達は自分から進んで信彦や貴博の膝の上に乗ってくる。そうなると、当然背後からおっぱいは触り放題になるわけだが、これも全然気にしていない模様だ。
自然な流れで、昨日覚えたばかりのサイコロゲームが始まった。6人での「サイコロ嘘つきゲーム」で、相変わらず信彦と貴博は高い頻度で負けるが、勝ったり負けたり1ゲーム終わるたびに、4人の美女達が異様に盛り上がる。高いテンションでどさくさに紛れてドレスの胸元から手を忍ばせて生おっぱいを触ってみたが、抵抗はほぼ無い。指で乳首を触ると、頬にキスを返してくれるという最高のオモテナシである。今日のカラオケは大変楽しいものになりそうだ。
信彦は、また小玲のことを完全に忘れ去ってしまっていた。
第15話に続く
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