桃源郷の歩き方 マカオ編第10話

桃源郷の歩き方 マカオ編第10話 ~天使の抓り~

世界の桃源郷 マカオ

信彦はグエンちゃんに見事に秒殺されたのであった。商業主義色の濃い風俗店にありがちな「早く射精させようと手抜き的努力をした結果」の秒殺ではなく、「真心のこもった手厚いサービスの結果」の、正に文字通り「三擦り半」秒殺である。

信彦「ごめんね。挿入する前から、我慢の限界状態だったんだ」

グエンちゃん「ふふふ。どうして謝るの?」

同じことを最近誰かにも指摘された気がするが、確かに謝る必要など皆無である。信彦はむやみやたらに謝るタイプの人間では無いが、今回の様な秒殺のシチュエーションに限って言えば、むやみやたらに謝る癖がある。

信彦「いやあ、凄いね」

グエンちゃん「何が?」

信彦「まずね、お尻の穴を舐め始めてくれた辺りから、完全に動揺していたよ。禁断の快感だよね」

グエンちゃん「ふふふ。気持ち良かった?」

信彦「最高に気持ち良かったよ。最初は羞恥心もあって、少し変な感覚だったけど、途中から急に気持ち良さが分かり始めて」

グエンちゃん「ふふふ。気に入ってもらえて良かったわ」

信彦「水・お湯・リステリンの波状攻撃も凄かったね。そして、とどめはグエンちゃんの顔だよ。もの凄く可愛い顔で、あんな切ない表情をされたら、僕も心臓が破裂しそうな高揚感に襲われて、気付いたら秒殺だったよ」

グエンちゃん「長ければ良いというものでも無いわ」

この仕事に従事する女の子からすれば、長時間持続する絶倫の顧客よりも、秒殺系の顧客の方が良い顧客なのかもしれない。

2人は合体したままで余韻を楽しみながら会話をしていたが、信彦の小弟弟が萎み始め、合体した状態ではやや心地悪くなり始めたため、一旦合体を解消することにした。

信彦が、萎んで情けない姿とになった小弟弟をグエンちゃんの小妹妹からそっと引き抜くと、グエンちゃんはコンドームを優しく脱がせ、所謂「お掃除フェラ」で最後の仕上げをしてくれた。どこまでも「至れり尽くせり」のグエンちゃんである。

信彦が仰向けで横たわると、グエンちゃんも信彦の左手を腕枕にして横になり、体を「ぎゅっ」と寄せてきた。実は信彦はこのような「密着感」に弱いというか、すぐに「この子は自分のことを本気で好きなのでは無いか?」と勘違いし感銘を受けてしまう傾向がある。

信彦「グエンちゃん、本当に優しいね。美人だし、もてるでしょ?」

グエンちゃん「あなたが優しくて良い人だから、私も良い気分になって、大事にしてあげたいと思うのよ。嫌なお客さんも結構いて、そういう人には、冷たい態度よ」

信彦「そうなの?僕たちの相性が良いのかな?」

グエンちゃん「ふふふ。そうかも」

信彦「日本人のお客さんは来る?日本人は優しいでしょ?中国人や香港人は意地悪な人が多そうだよね」

グエンちゃん「日本人は確かに優しい人が多いかもしれないけど、殆ど言葉が通じないから、あまりよく判らないかな。あなたは中国語が話せるから、コミュニケーションが取れたけど」

信彦「まあ確かに。それはあるかもね」

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グエンちゃん「中国人も香港人も、良い人も嫌な人もいるわ。最悪なのは韓国人。時々韓国人のお客さんにあたるけど、殆どみんな最悪だった」

信彦「そうなの(笑)?僕の友達の韓国人はナイスガイが多いけどね。みんな無茶苦茶スケベだけど(笑)」

グエンちゃん「どの国の人も良い人も嫌な人もいると思うけど。たまたま、私は中年の変態の韓国人ばかりで、みんな気持ち悪くて最悪だった。急に怒り出すし」

日本人にもこういう気持ち悪い人はいる。たまたま、グエンちゃんと韓国人の相性が悪かったのであろうと推測される。

グエンちゃんは話しながら、時折信彦の左頬にキスをしてくれる。そして、つぶらな瞳でじっと見つめてくれる。「ああダメだ、完全にグエンちゃんの虜になってしまっている!」

なお、信彦はあまり顔や態度には出さないものの、人の好き嫌いが非常に明確である。独自の評価基準により、気持ちの良い人を好み、気持ちの悪い人を嫌う。グエンちゃんは、もちろん大変気持ちの良い人である。併せて言うと、好きな言葉は「人生は何事も経験」「適正価格を見極めよ」「据え膳食わぬは男の恥」の3つである。

グエンちゃん「この店は初めて?」

信彦「うん、初めてだよ。マカオ自体が初めて」

グエンちゃん「そうなの?」

信彦「グエンちゃんが、僕のマカオでの最初の女の子だよ。そして、最初で最後の女の子になるかもしれないね」

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ここで「天使の抓り」が発動された。「抓り」と書いて「つねり」と読む。東莞常平の小玲は「天使の突き」だが、ここマカオのグエンちゃんは「天使の抓り」である。

グエンちゃん「嘘でも、そう言ってくれると嬉しいわ」

信彦「嘘じゃないよ。既にグエンちゃんの虜になっているよ」

グエンちゃん「私、そんなに良かった?」

信彦「良いも何も、最高ですよ。」

グエンちゃん「あなたは何処のホテルに泊まっているの?」

信彦「今日はホテルには泊まっていないんだ。このサウナに泊まる予定だよ」

グエンちゃん「そうなんだ。今日は2時には仕事が終わるから、あなたのホテルの部屋に行って朝まで一緒に居たかったんだけど」

信彦「マジ?残念だなぁ。ホテルは無いんだよね。今からホテル取ろうかな(笑)。じゃあ、暫く休憩して、もう一回グエンちゃんを指名すれば良いよね?」

グエンちゃん「でも、それだとお金がかかるよ。ホテルに行ったら、お金は必要ない」

なんと、タダほど怖いものは無いのだが、信彦とグエンちゃんは非常に相性が良い模様だ。もっとも、「お金は要らない」と言われても、信彦は払ってしまうのだが。

信彦「大丈夫、お金は払うよ。グエンちゃんに会えるなら全然問題無い。少し休憩室で休んでから、もう一回グエンちゃんを指名するようにするよ」

グエンちゃん「わかったわ、有難う。2時までは店にいるので、スタッフに私の番号を言ってくれれば、それでOKよ。ショータイムの時でなくてもOK」

しっかりとこの様な約束を交わし、信彦はシャワーで全身を洗ってもらい、グエンちゃんに手を引かれながら迷路を進み、休憩室に戻った。

第11話に続く

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