桃源郷の歩き方 東莞常平編(2)第5話 ～鑑賞の悦び～
リンダ「麺類・ご飯類・点心・海鮮・肉とか何でもあるわよ」
リンダが、20～30程度の料理が記載されたプラスチックカバーに入ったメニューを見せながら説明してくれるのだが、写真が掲載されておらず、かつ中国語（マンダリン）のみの表記であるため、凡そのイメージは付くものの、正確にはどのような料理かは不明な状況である。
信彦「貴博はどの程度お腹空いてる？何食べても良いよ」
貴博「そうだね。海老とか蟹とか、海鮮を食べたい気分かな」
信彦「結構がっつりと食べる感じだね（笑）」
貴博「何だかんだで、お腹空いてきたよ。腹が減っては戦は出来ぬ、だからね」
信彦は、貴博の両脇の飛びきりの美女達にも意見を求めると、315番からは貴博と同じく「海鮮が食べたい」との回答が、一方で530番からは「それ程空腹でも無いので何でも良い」との回答が返ってきた。
信彦「小玲は？何か食べたいものはある？」
小玲「メニューを見たいな。私が選んでも良い？」
信彦「良いよ。海鮮は幾つか含めてね！」
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「華奢でお腹も胸もほぼ平面な体型」かつ「可愛くて涼し気な顔」の小玲だが、実はまさかの大喰らいである。大食漢の天使は、嬉しそうにメニューを見ながら、大蒜醤油を付けて食べるボイル海老・豚の角煮・空心菜の大蒜炒め・魚名は不明だが魚の煮つけ、など6品目程度の海山の幸を選び、更にはあまり空腹では無い信彦のために牛肉麺を注文した。
食事注文が終了した頃、これも既に信彦と貴博にはお馴染みの光景となった「花街で売れ残り美女の品定め会」が開始された。
まずは、マネージャーらしき30代前半と思しき幾許か淫靡さを帯びた女性が、11人の美女を連れて部屋に入ってきた。「売れ残り」と言うと、美女は含まれていない印象を受けるかもしれないが、何のことは無い、ここは東莞常平である。美女と男性顧客との圧倒的な需給ギャップにより、かなりの美女も売れ残っているケースが見受けられるのが東莞常平クオリティである。11人のうち、かなりの美女が1人、それなりの美女が4人、それ以外は可もなく不可もなく、である。今回のラウンドには「お化け屋敷キャラ」「動物園キャラ」は混じっていないようだ。
マネージャー「女の子は足りていますか？多い方が楽しいですよ！」
それは、ある意味本当であり、ある意味嘘である。
信彦「僕は足りていて大丈夫なんだけど、彼（貴博）は2人では不足かもしれないので、彼に美女を見繕ってあげてよ！彼は前回5人の女の子を連れて帰って喜び組だったからね！」
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信彦は意図的にこれを中国語（マンダリン）で伝えたため、この部屋の中では貴博だけに伝わっていない状態なのだが、全員の注目が俄然貴博に集まる。信彦は315番と530番をチラ見したが、2人ともあまり愉快そうな顔はしていない。
信彦「左から二番目、かなりの美人だよね」
貴博「そうだね。スタイルも良いしね。ただ、スタイルと胸がアンバランスだから、もしかしたら偽乳星人かもしれないね」
信彦「ははは。もう貴博も東莞常平KTVのベテランだね！」
自分に注目が集まっていることを全く理解していない貴博は、呑気に信彦と会話をしているが、マネージャーは必死で貴博に話しかけてくる。
貴博「前回の5人は明らかに多過ぎたし、基本この2人が飛びきりの美女だから、基本的には追加は不要かな。でも、見るだけ見てみたい気はするけどね」
信彦「わかったよ。まあ、追加で選ぶ義務なんて全く無いのだから、気軽に眺めてみると良いよ！美女を眺めていると視力もよくなるしね！」
信彦は完全に他人事モードである。マネージャーに、「追加は不要かもしれないけど、彼（貴博）に見るだけ見せてもらっても良いかな？」と伝えた。マネージャーは「お安い御用」と、美女11人を連れて一旦部屋を退出していった。
小玲「あなたの友達（貴博）は選ばないの？」
信彦「基本的には不要みたいだね。前回多すぎた反省から」
小玲は「貴博が選ぶのか否か」については質問するのだが、「信彦が選ぶのか否か」については全く質問をしてこない。「当然選ばないよね？」との暗黙の了解があるかのような雰囲気を醸し出している。信彦も、既に脳内が「小玲と記念すべき2度目の生中出し」で一杯で、追加で選ぶ気などさらさら無いが、普段なかなかお目にかかれないクラスの美女達を、豪華なソファに座って眺めることが出来るのは素晴らしいことである。
すると、先程の淫靡マネージャーが今度は7人の美女を連れて帰って来た。今回のラウンドは、飛び切りの美女はいないが、ほぼ全員が「可愛い」の合格ラインである（注: あくまで個人の判断基準による）。タイミングもあるのであろうが、このKTVは美女比率が他よりも高いのかも知れない。
信彦「貴博、どう？一番右、可愛いね。ちょっとロリな感じもするけど」
貴博「あれは、余り趣味じゃないかな。ロリだね（笑）。で、信彦さんはどうなの？」
信彦「一応見てるけど、小玲が一緒だから、まあ不要かな」
貴博「そうか。僕も基本は追加不要なんだけど、美女を鑑賞したいと言うのもあるんだよね」
信彦「じゃあ、あと一巡だけ見てみようか？」
貴博「そうだね。それ以上は申し訳無いし、やめておこう！」
その旨を淫靡マネージャーに伝えると、退場→約5分後に再登場で、今度は10人を連れて戻って来た。今回も「飛びきり美女」はいないということもあり、貴博は「選ばない」という結論に至った。ちなみに、10人中4人はそれなりの「可愛い」美女、残り6人は「ちょっと厳しい」感じである。ラウンド毎にバラツキはあるが、何度も繰り返すと20：20：40：20の法則に近づいてくる。（注: あくまで個人の判断基準による）
淫靡マネージャーと10人の美女が退場した直後に、注文していた料理が届いた。
第6話に続く
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